今回から新築、中古、築古について解説させていただきたいと思います。
初回は新築ですが、まず、新築、中古、築古とはどんなものか簡単に説明します。
新築・中古・築古とは
新築とは
新築は法律で定義されているからとてもわかりやすいです。
新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く。)をいう。
誰も住んでなくても、工事完了から1年を経過すると新築と言えなくなります。
中古とは
これはもっとわかりやすいですね。新築以外はすべて中古になります。では築古は?築古も中古ですよね?
築古とは
築古はもちろん中古ですが、最近何かと話題にされることが多いので、中古のなかで分けて考えたいと思います。
築古の定義はないのですが、一般的に次の2つのどちらかになると思います。
- 法定耐用年数を既に経過し、融資を引くのが難しい物件
- ボロ物件とも呼ばれている大掛かりな修繕・リフォームしないと使えない物件
新築物件の特徴
新築も大きく分けて次の3種類になります。
- 建売型
- 企画(売建)型
- 土地から新築型
建売型
アパート等の収益物件で最も一般的なのは、この建売型です。収益物件検索サイトでも、数多く掲載されています。
土地の購入費+建築費用+業者の利益=売値
売値の構成はシンプルですが、内訳は不透明です。借り入れをして土地の仕入れをしていると、登記簿謄本の抵当権設定額からおおよその購入金額を推測することができ、概算の建築費がわかる場合があります。
なお売値の内訳がわからなくても基本的には問題ありません。土地の仕入れが得意な業者や、安く建築できる業者など様々です。
売値ですが、基本的にその地域の相場利回りから逆算して決定します。
想定賃料(年額)÷その地域の利回り=売値
例えば、年間想定賃料が1000万円でその地域の新築の利回りが10%だとすると次の計算式になります。
1000万円÷10%=10000万円
売値はこうやって決まるので、内訳はあまり関係ないのがわかります。要は業者の利益の幅が違うだけになります。
建売は業者の利益がのっていて高い印象がありますが、業者も借り入れをして建設しているので、返済期限が迫った場合など早く売らなくてはいけない事情によりまれにかなり安く買えることがあります。
売り建て(企画型)
まず業者の用意した土地を購入し、その業者に建築してもらうのが売り建てで、企画型とも呼ばれています。
土地は仲介なので、土地代金+仲介手数料なので、明瞭会計です。
ただ、建物価格が高い場合が多く、シュミレーションの想定利回りが木造アパートで5%程度物もが普通にあります。これでは手残りないどころか、持ち出しまで出てきてしまいます。
また、ビルダーによってですが、建売より建築費が高い分きちんと作られていることが多いです。
なかにはきちんと収支があう利回りのものを提供する業者もありますが、土地決済から竣工まで時間がかかるうえ利回りが低いので、個人的にはあまりおすすめしていません。
土地から新築
自分で融資付けを行い、土地を購入し、建築会社を自分で探し建築し、自分で入居付を行うので、かなりの手間とスキル、また、いろいろなリスクが伴う難易度の高い手法です。
ただ、安く建てられれば、建てた瞬間に大きな利益になります。どういうことでしょうか?
建売で書きましたが、新築アパートなど収益物件にはだいたいのその地域の相場利回りがあります。安く建ててても地域の相場から逆算した金額で売却することができます。
その差額が含み益になるのです。この手法で土地から新築し、即売却で数百万から数千万円の利益をだし、資産を形成されている方もいます。あまり派手に反復すると、宅建業法に抵触するおそれがあります。
また、大きく儲ける可能性も高いのですが、当初の計画より建築コストがあがったり、大規模な地盤改良が必要になったりなど、あとから追加でかかる経費が出てくることもあり、あれだけ手間がかかったのに結局建売の方が安かったということもめずらしくありません。
新築物件のメリット・デメリット
新築物件の注意点
新築の場合、すでに入居者がいるわけではないので、企画の段階から家賃設定をしなければ行けません。
建売や売り建ての場合、業者が家賃設定していますが、なかにはその金額では借り手のいない高い賃料を設定している場合があります。
賃料がさがると、利回りもさがり、物件価格も下がることになります。本当に要注意なので、建売などの場合でも、必ず自身で家賃の相場を確認しましょう。
当初の満室保障付きや満室の状態になっている新築でも同様に自身で相場の賃料を確認してください。広告費をたくさん積んで、無理やり高い家賃で入居させている場合もあります。
この場合だと、一度退去するとかなり賃料をさげないと入居づけできので、やはり注意です。
新築のメリット
現在は、住宅瑕疵担保責任保険への加入が収益物件でも義務付けられているので、建物の主要構造部は建築後ビルダーが倒産しても保険で対応してもらえます。
また、設備等についても当初の保証はあるので、基本的に修理・交換等の対応はしてくれるでしょう。
金額的な問題だけではなく、入居中の設備トラブルは意外と手間がかかるので、新築の場合はういった心配から解放されるのも大きなメリットです。
さらに、数年持って売却した場合、中古と比較して高く売れます。利回りが低かったが、売却益によって利益が加算され、トータルで考えると中古以上の利益になることもあります。
こうなると、手間いらずで利益も多くなのでとてもよいでよね。
- 新築物件は利回りは高くないですが、建ててしまえば手間がかからずとても楽
- 利回りは低いが、売却益によってトータルで高い利益が確定できることがある
次回は中古についてです。お楽しみに!
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