地価公示とは
地価公示を管轄している国土交通省の説明はこうです。
地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示(平成31年地価公示では、26,000地点で実施)するもので、社会・経済活動についての制度インフラとなっています。
みなさんこれを読んで分かりましたか?
土地取引の指標となるものだそうですが、普通の人が土地を買ったりうったりするときにあまり参考にしていないような気がします。
しかし、同じ場所を継続的に不動産鑑定評価するので、上昇、下落などの傾向を見るにはとても良い指標ですね。
参考までに、他にどの様な土地の価格があるか整理してみましょう!
- 基準地価
- 相続税路線価
- 固定資産税路線価
- 実勢価格
基準地価は地価公示とほぼ同じです。他の土地の価格についてはおって説明させていただきます。
2019年地価公示
2019年地価公示の概要
国土交通省「平成31年地価公示の概要」から引用
今年の地価公示のトピックは、全用途平均で、全国、三大都市圏、地方圏のすべてがあがったことです。わたしは先日の記事で4大地方都市を都市部と同様の扱いをしましたが、地価公示では地方圏に含まれています。
一般的に注目されているのは、インバウンド効果による地価上昇で、ニセコをかかえる俱知安町などがその最たるものです。ただ、民泊や旅館業を行っていない方にはあまり関係ないですね。
個人的に注目しているのは、4大地方都市を除いた地方圏は、全用途は下落傾向にあることです。上の表のその他の欄がそれに該当します。
報道では全国的に地価上昇と流されていますが、地方圏の地価上昇は4大都市で支えられているだけで、他の都市は下落傾向のままなのです。
ミクロ的な目線でみると、地方都市の中でも駅徒歩10分圏など上昇しているエリアがある一方、それ以外は下落をしている状況がデータから読み解けます。
その最たる場所が秋田県で、下落幅は全国1位ですが、秋田市の中心商業地では27年ぶりに上昇しているのです。
都市圏と地方の2極化が進んでいるだけでなく、地方都市の中でも2極化が進んでいる。
個人投資家への影響は
いままでは都市部か地方かとの議論が中心でした。今後はそれだけではなく、特に地方の場合はそのまちのどのエリアを選ぶかが大変重要になります。
その中でも、次の2点に注意してください。
- 土地の値段は低いが賃料は高くとれるエリア
- その都市全体の地価は下落傾向だが、極地的に上昇が見込まれるエリア
1点目はいままでもよく語られてきたことで、土地値と賃料のゆがみがあるエリアです。引き続き注目していきましょう。
2点目はこれから注目の内容です。あの市はこれからすたれる、だとか消滅都市だとか言われたりしましたが、下落傾向の町でもすたれないエリアがあるのです。それが今年の地価公示で顕著化してきました。
日本全体が人口減少となり、東京もいずれは人口減少になります。そうなると、その地域のどこのエリアかが、本当に重要になってきます。
その地域に住んでいる方しかわからない情報や、地方自治体が作成している立地適正化計画の「居住誘導区域」などに注目していきましょう!
次回から初心者向けの講座に戻りたいと思います!
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